研修導入企業例
担当者の声
「階層に関係なく、それぞれの方が
自分の言葉としての気付きが得られている」
小栁 智義さん
(株)VAMO シニアマネージャー
ヤマハ発動機(株)より出向
ヤマハ発動機からベンチャー企業のVAMOに2023年10月から出向され、「日本中、世界中の製造業を元気にしよう!」という旗印のもと、シニアのプロ人材に活躍の場を提供する事業を展開している小柳さんにお話をお伺いしました。
私は現在64歳ですが、30歳の時にIHIから地元企業のヤマハ発動機に転職しました。IHIでは護衛艦の設計に携わり、ヤマハ発動機では水上バイクの開発や、新興国を中心に世界中を動きまわる市場開拓事業などなど、多彩な業務に携わってきました。
またキャリアの後半では人事育成業務も担当することになり、その活動を通じて、若手の育成と共に、シニアの活性化が必要であると痛感し、現在のVAMOの立ち上げに関わることになりました。
『ザ・ゴール』との出会いについて教えて下さい
『ザ・ゴール』は、ヤマハ発動機で基幹職研修を受講したときに、財務講座の講師の方から、ビジネスマンの必読書として勧められたのが初めての出会いでした。
当時、講師の方が言われていた「ボトルネック」という言葉が、凄く気になった事を覚えています。というのは、学生時代に企業実習へ行った際、IEの手法を用いてバイクの生産ライン(不思議な縁でヤマハ発動機の生産ラインでした)を見させてもらった記憶がよみがえったからです。
『ザ・ゴール』研修活用のきっかけは?
『ザ・ゴール』研修を社内に導入したきっかけは、コロナ禍の気付きにありました。
在宅勤務が続いたときに、色々な講座と触れる機会があり、その中に『ザ・ゴール』の無料試写会があったんです。これを拝見させていただいて、当時はまだ所属していなかった人材開発部門にすぐに購入を打診しました。
色々な御縁があったわけですが、『ザ・ゴール」に導かれて、あるべき場に異動したのかもしれませんね。なお『ザ・ゴール』研修を導入しているのは、ヤマハ発動機のなかでも、私が所属するマリン事業本部です。
まずはマリン事業の人材開発部門として『ザ・ゴール』研修を購入し、2か月に1度のペースでマリン事業本部全体から参加者を募り、私もファシリテーターとなって講座を実行しました。
参加者の反応はいかがでしたか?
受講後のアンケートに「事業がThe GOALに対して全体最適に近づく。組織が活性化し、自己革新的な組織へと近づく」「やらされごとじゃない、自分ごとで目標をもって楽しみながら業務に臨める、周りに対する配慮ができる」
などの声があり、非常にうれしい手ごたえがありました。
『ザ・ゴール』研修は、映画鑑賞含めて半日コース(13時から17時30分)として、ほとんどリモートで行っています。17時から参加者各自が学びを共有する「YWTM」セッションを行うので、毎回の参加人数は10名程度に絞っていますが、公募すると半日以内に希望者が集まり、キャンセル待ちが出るほどの好評な状況が続いています。
自ら学びたいと言う意思がある人材が多数集まると、自ずとYWTMも実りあるものになって行くと実感しています。
何か工夫されていることはありますか?
研修で得た学びをどうやって業務に活かしてもらうかは大きな命題でした。
オンジョブトレーニングであれば、否応なしに身に着きますが、オフジョブトレーニングではなかなか研修で学んだことが身につかないのが大きな課題です。
その為に、参加者の上司の元へ、各自の学び(YWTM)を伝えて、これを仕事に展開できる場を作るよう伝えています。
またこの研修が非常に好評だったので、マリン事業部直下の部門全体でも実施して欲しいという話も受けて、最終的には受講者が数百人規模になる研修も実施しています。
ただ、この研修は受講者が自発的に集まったものではなく、上司からの命令によるものなので、どうなるかとやや不安を持ちながら引き受けたのですが結局は杞憂に終わりました。研修の最後には、参加者がそれぞれ自分の学びや思いを発言する場を設けているので、参加された皆さんは、毎回新たな気付きを持ち帰っていただいています。このような研修では、参加者が自ら動いて発言する場を作ることが重要だと実感します。
具体的に参加者からどんな声が寄せられていますか?
研修は、あえてベテランから新入社員まで、あらゆる階層に展開をしています。
記入者の素性を見えないようにした学びの振り返り(YWTMシート)を見ると、階層に関係なく、それぞれの方が自分の言葉としての気付きが得られていることが分かります。(下記は新入社員の声です)
「人に教えてもらうのではなく自ら考えることが大切」
「制約の有効活用方法を常に考える改善意識が大切」
「結果ではなく、それができた「理由」を考えることが大切」
「仕事だけでなく、人生の目標を明確に持つことが重要」
「充実した人生を送るためには、仕事と家族を両立させる」
「仕事の流れには「つながり」と「ばらつき」がある」
「生産性を上げるために目標を持つ」
「制約を改善することで大きな成果が得られる」
「自信をもつためには結果を予測する。自分の予測を確かめることが重要」
「現状を把握するためにボトルネックは必要で、悪ではない」
「行動を起こす前に自分なりに考えて意見を持つことが大切であること」
「「つながり」と「ばらつき」を前提にすると、どこか必ず制約が出ること。制約は悪いことでなく無限に生じるものであること」
今回、あえて私が基幹職研修まで出会うことがなかった『ザ・ゴール』についての研修を新入社員にも行っているのは、働くことの意味・人生の目的に、早くから気付いて欲しいからです。
仕事と人生について、早いうちから真剣に考える機会を得ることで「仕事の目的」と「人生の目的」がオーバーラップする部分に気付いて、仕事に対するやりがいを見つけて欲しいんです。そうすれば、本当に充実したビジネスパーソンとしての人生を送れると思っています。『ザ・ゴール』研修は、これまでに約30回、参加人数にして300人以上が参加していますが、参加者の皆さんに大きな変化が生まれることを期待しています。
読者にメッセージをお願いします
私自身も『ザ・ゴール』研修の最後に、思い込みの眼鏡をはずして物事を見る事の大切さを伝えるようにしています。せっかくなので、参加者に研修を案内をするときのレターの末尾に書いている言葉をご紹介します。
・年齢に関係なく、本来の自分は経験を練磨する事で常にアップデートされていく
・その中で、自分の価値観は、新たな気付きと共に、その場に留まらず拡大していく
これは、VAMO*の事業に託したシニアへの思いと重なるものがあります。躊躇せず自ら行動しなければ、理想とする未来は拓けないので、その未来にこの研修が結びついていって欲しいと願っています。